けいはんな学研都市ヘルスケア事業Top>プロジェクトディレクターあいさつ

健康寿命の延伸、医療費抑制への貢献を目指して

本事業は、文部科学省、経済産業省、農林水産省の3省合同による「地域イノベーション戦略推進地域(国際競争力強化地域)」に選定され、併せて、文部科学省地域イノベーションシステム整備事業の地域イノベーション戦略支援プログラムに採択され、平成23 年9 月より28 年3 月までの予定で、「無意識生体計測&検査によるヘルスケアシステムの開発」に取り組んでおります。地域の産学官金で構成する"けいはんな学研都市ヘルスケア・イノベーション推進協議会"で地域イノベーション戦略(地域構想)を立案して、当地域の7 つの参画大学に8 名の研究者を招聘し、研究開発・事業開発を進めて参りました。

近年、少子化・超高齢社会の進展に伴い、国民の健康寿命延伸、医療介護費の抑制は喫緊の課題となり、また高度ストレス社会による心の病の増加など、我が国の健康に関する課題が顕在化する時代背景にあって、今後は国民一人ひとりが自分の健康に責任を持ち、積極的な健康管理を行い快適な健康長寿生活を送ることが望まれています。また、政府の日本再興戦略の中でも、健康・医療関連分野の成長戦略や健康寿命延伸産業の創出が問いかけられております。

当地域では、立案した地域構想に基づき、得意としてきたICT技術やものづくり技術を基盤技術として、日常生活を妨げることなく個々人の生体情報を収集する技術、及び、地域や在宅にて安価簡便に検査を行う技術の研究開発、及び、それらの情報分析から適切なアドバイスで行動変容を促し健康維持・増進を目指すヘルスケアシステムの開発を行って参りました。そして、それらの成果を活用するとともに、地域住民のモチベーションを向上させる啓発・教育活動を行うなど、持続可能な社会システムを構築することを目指して成果の地域実装活動にも取り組んで参りました。

その実現は、まだ道半ばではありますが、お陰様で技術研究開発成果、商品化や、ベンチャー創出、地域実装など数多くの成果を創出することができました。つきましては、本事業の終了にあたり本事業の成果を成果集としてとりまとめさせていただき、皆様方にご報告させていただくことと致しました。

本事業終了後は、これらの成果を継承して、実用化と普及・地域実装に努めると共に、今後も、本地域構想の実現に向けて、関西文化学術研究都市推進機構の新たな取り組みとも連携して進めてまいる所存です。今後とも、皆様方のご理解・ご協力を賜ります様、謹んでお願い申し上げます。

平成28 年3 月11 日(金)

ph_terasaki.jpg

文部科学省 地域イノベーション戦略支援プログラム
けいはんな学研都市ヘルスケア開発地域
プロジェクトディレクター 寺崎 肇

1983年京都大学工学部卒業。同年三洋電機株式会社入社。以来、知能ロボット、携帯TV電話、ウェアラブル機器、再生医療用機器、ヘルスケアシステム等の研究開発・事業開発に従事。デジタルシステム研究所企画課長、ロボットプロジェクトBUリーダー、ヒューマンエコロジー研究所メカトロシステム研究部長、基盤技術研究所ヘルスケア企画担当部長を歴任。2011年9月より現職。博士(工学)。