20190822_fig1.jpg

現代社会は、様々な化学製品やエネルギーにより利便性の高い暮らしが形作られています。この多くは石油に依存しており、将来の供給などに備えることは大切です。この対応の一つとして「メタン」を効率よく酸化し、より利用しやすく変換する仕組みが研究されています。これは国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の実現にもつながります。

本フォーラムでは、「バイオインスパイアード触媒」と「光化学」に関する、先端的な研究の紹介と熱気あふれる議論が行われ、今後の社会のあり方を考える、示唆に富む機会となりました。  

2019年8月22日(木)13:30~16:30 
会場:大阪イノベーションハブ
   (大阪市北区大深町 グランフロント大阪ナレッジキャピタルタワーC棟7階)
主催:(公財)関西文化学術研究都市推進機構 
共催:(公社)関西経済連合会、大阪イノベーションハブ、(国研)科学技術振興機構
後援:同志社大学リエゾンオフィス、大阪大学先導的学際研究機構

  • 主催者等挨拶
    20190822_fig2.png関西文化学術研究都市推進機構 常務理事・事務局長 中川雅永
    大阪市経済戦略局 イノベーション担当部長 馬越宏輔
  • 講演1「C-H酸化酵素の働きを理解した触媒設計 ~今、どこまで設計できるのか?~」

    同志社大学 大学院 理工学研究科 教授 人見 穣 氏

    20190822_fig3.jpg

    我々の体には金属イオンを用いて酸素を活性化してC-H酸化※を行う酵素が存在する。我々の研究グループは、自然が作り出した触媒である「酵素」の働きのエッ センスを化学の視点で抽出し、再構成し、「酵素」を越える「触媒」を作り出そうとしている。今どこまで設計できるのか、実現に向けた現状を紹介。

    講演内容 全文はこちら

  • 講演2「二酸化塩素を用いたメタンの光酸化反応 ~反応活性種は除菌消臭剤の有効成分~」

    大阪大学 高等共創研究院 先導的学際研究機構 教授  大久保 敬 氏

    20190822_fig4.jpg

    メタンを空気中の酸素でメタノールへ変換する反応は有機化学の中でも最も難しい反応の一つである。除菌・消臭剤の有効成分として知られる二酸化塩素(ClO2 )の 特異な光化学的反応性に着目し、光照射によってメタンをメタノールとギ酸へ、ほぼ100%の収率で二酸化炭素の排出なし変換できることがわかった。反応中に生成するラジカル中間体の失活を防ぐためにフルオラス溶媒を用いたことが反応達成の鍵である。今後様々な分野での応用が期待される、低コスト・クリーンなガス・液体変換反応の社会実装へ向けた取り組みについて紹介。

    講演内容 全文はこちら

  • オープンディスカッション
  • 閉会挨拶