~「新たな都市創造プラン」の実現に向けた本都市全体のネットワークハブ~

日 時:2018年5月24日(木)13:30~15:45
場 所:けいはんなプラザ 交流棟3F 「ナイル」

 「世界の未来への貢献」と「知と文化の創造」をビジョンに掲げ、2016年3月に策定した「新たな都市創造プラン」。「新たな都市創造会議」は、このビジョン実現に向けて多様な主体が対等な立場で参画し、相乗効果を生み出していくネットワーク型運営体制として設置したものです。

 昨年開催した第1回総会では、「けいはんな学研都市」全体の価値を高めていくことを目的として、多様なミッションを持つステークホルダーが都市全体を俯瞰的に評価する指標群「けいはんなインジケーターマップ」を作成、共有していくことになりました。

 本年の第2回総会には、国土交通省をはじめ国の9機関、10自治体、8大学、15研究機関ほか、財界・民間企業・地元まちづくり団体など、60機関から約120名が出席。ビジョン実現に向けた4つの取組「都市形成」「文化・学術研究の振興」「イノベーション推進」「都市運営」に関する20の指標と、最近のトピックスを織り交ぜながら、取組状況や成果を「けいはんなインジケーターマップ2018」として報告しました。出席者からは、「都市全体の成果を俯瞰的に認識することが出来た。」「トピックスも盛り込まれていて判り易かった。」など、概ね好評を得ることが出来ました。今後も、各主体の合意の得られたものから指標化を行い、社会経済情勢に応じて充実を図りながら、毎年度、更新していきます。

 この他、近畿地方整備局から「関西の高速道路ネットワークと平城宮跡歴史公園」、京都府から「最近の都市形成の進捗状況」、大阪府から「2025日本万国博覧会誘致」、奈良県から「平城宮跡歴史公園と大宮通りプロジェクト」について報告を頂きました。

 総会には報道機関6社の取材があり、会議の内容等についてテレビや新聞で報道されました。

「新たな都市創造プラン」の概要はこちら

インジケーターマップ2018はこちら

  • 出席委員からの主な発言要旨

    ○「けいはんなインジケーターマップ」について

    ・数値だけではなく具体的な成果も織り交ぜているので、様々な取組を俯瞰的に知ることが出来た。
    ・視察者数について、企業の数値が省かれているが、概数でもよいので加えて欲しい。
    ・都市の成長を、「インジケーターマップ」でチェックしていこうということは、素晴らしいと思ったが、「若者」にフォーカスした指標、取組があればよいと思った。

    ○広報PR(海外対応)について

    ・英語版のホームページを充実出来ないか。単なる英訳ではなく、都市の魅力や最新の研究成果を直接アピールするコーナーを作ってはどうか。
    ・海外に対しては、学研都市の行政区分に限定せず、関西全体をアピールする視点が重要。

    ○万博誘致について

    ・万博で話のあった「SDGs」は、国際社会でも大きく取り組もうとしている。万博と呼応して、けいはんなの研究・文化機能が大きな役割を果たせるようにしていきたい。
    ・個人的な感想であるが、けいはんなの盛り上がった気運を続けることを考えると、11月に万博が大阪に決まればと思う。けいはんなでパビリオンを出して存在感をアピールすることが出来ればよろしいのではないか。

    ○イノベーションについて

    ・多言語音声翻訳技術については、グローバルコミュニケーション計画のもと、学研都市にかかわりのある企業・研究機関が研究開発を行っており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、一層研究開発を強化していく。
    ・「もっと広域のネットワークを広げるべきではないか」という意見があったが、大企業や研究所だけでなく、中小含めた様々なネットワークを繋げていく必要性がある。そのための協力支援は、一生懸命やっていきたい。
    ・研究開発の核となる大学や公的研究機関、企業が多数集積している立地の特徴を活かし、産学官や異分野融合の共同研究や人材交流等、けいはんなならではの強みや独自性の高いオープンイノベーションをさらに活性化し、成果に繋がるよう期待している。
    ・「けいはんな学研都市」の企業や研究機関からも課題提案を頂いている。国の予算を活用して頂き、研究開発がより一層推進されるとともに、研究開発拠点として更に活性化していくことを期待している。
    ・「新たな都市創造プラン」を基に、「けいはんな学研都市」が新たな価値を創造する都市として更に発展し、我が国全体の科学技術イノベーションの進展にもつながっていくことを期待している。今後とも関係諸機関とも連携しながら必要な支援、協力をしていきたいと考えている。
    ・新しい領域や産業界との連携を進めていくためには、研究者と企業が一緒になって新しい問題を解いていく「出会いの場」が必要。ミッションはいかに新しい領域の出会いを作っていくか。異分野の人たちが集まって新しいワークショップや問題解決の方法論を見つけることが大きい。いろんな形でこういう活動をさせて頂きたい。
    ・共通技術に基づく連携は非常に重要。働き方改革や女性活躍推進というところでも、連携をとらせて頂ければと思っている。また、逆に全く異分野の研究所あるいは大学で活躍されている方との連携も、チャンスが多くあると考えている。
    ・「人間として何が正しいか」を根本理念として、オープンイノベーションを推進する精神的な支柱を打ち立てた。研究力のある企業・研究所の力を結集して、やり遂げたい。
    ・技術が社会実装されていく時に、まずは学研都市推進機構に相談をする。それは地区の中での実証実験をするという意味もあるし、社会実装していく上でタッグを組んでいく企業を紹介して頂くことでもある。是非、窓口機能を強化して頂ければと思う。

    ○都市形成について

    ・今、国で取り組んでいる「コンパクト・プラス・ネットワーク」という都市政策のモデル地域として打ち出してはどうか。
    ・高山地区第二工区について、有識者懇談会からご提言を取りまとめて頂き、市民への説明会・報告会を終え、今は地権者に対する個別きめ細やかな説明を行っているところ。奈良県ほか関係者の力を借りて、より詳細な進め方を考えていくフェーズに早く入りたい。

    ○その他

    ・「けいはんな学研都市」には、奥田東先生がスタートさせた30年前から関わってきた。地域としてまとまってきて、全体が総合的に動いている印象を受けた。
    ・本日の議論を受け、「けいはんな学研都市」が真に新たな都市を創造していくことが出来るよう、今後とも必要な協力をしていく。
    ・この都市の特徴は、住民と研究機関が密接な関係を持っていること。街全体がある意味、実験場になる様な、また如何に地域住民とコラボしているかなど、アピールポイントを作って売り出していくことが必要ではないか。
    ・これからも学研都市の街として全国にアピールしながら、街づくりを進めていきたい。住みたい街また働きたい街を目指して、学研区域と一緒になって、負けずに発展できる様、職員一同一丸となって頑張っていこうと思う。
    ・西の「けいはんな」と東の「つくば」との違いは、世界遺産があることが特徴だと思う。年間1,500万人のお客様が来られる観光地がすぐそばにある強みを、是非、けいはんなの今後の成長発展に繋げて頂きたい。
    ・つくばは1市だが、けいはんなは7市1町の複数自治体で構成されている。是非、8つの市町がまたがってひとつの自治体圏域を構成する力を高めていきたい。