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 新年あけましておめでとうございます。
 清々しい新年をお迎えのことと、お慶び申しあげます。
 平素は弊機構に格別のご高配を賜り、厚くお礼申しあげます。
 昨年もコロナ禍の影響を大きく受けた1年となりましたが、一方でウィズコロナ時代として新たな動きが多く見られた年でもありました。
 特に東京オリンピック・パラリンピックでは、我が国は史上最多のメダルラッシュに沸き、世界のトップアスリートたちのパフォーマンスに魅了されました。この大会を大きな混乱なく開催できたその背景には、苦難の中で工夫を重ねた事務局や関係者の皆さまのひとかたならぬ努力があったことと存じます。
 また、本大会にはけいはんな発の技術も大きく貢献いたしました。例えば外国人とのコミュニケーションにおける言葉の壁をなくす多言語音声翻訳について、その基幹となる翻訳エンジンを、本都市の情報通信研究機構(NICT)が提供しました。また、長時間の歩行を伴うボランティアやスタッフには、けいはんなのスタートアップ企業が開発した、足腰の疲労を軽減するパワーアシストスーツが貸与されたほか、重量挙げのスタッフには腕を補助する機能を加え、バーベルに付けるウエイトの運搬における効率化と疲労軽減を図りました。
 2025年大阪・関西万博やその先の2030年を目標年次とするSDGsに向けて、こうした技術をより一層進化させることに加え、地球環境産業技術研究機構(RITE)の脱炭素に向けたCCUS(炭素の回収・利用・貯蔵)技術や、量子科学技術研究機構(QST)のがん死ゼロに向けたレーザーメス、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)や理化学研究所(RIKEN)のロボティクス技術などが期待を集めています。そして、これらの技術が"世界トップレベルの研究開発型オープンイノベーション拠点"を目指すうえで大きな力になると考えています。
 日本が世界に先駆けてアフターコロナを見据えた未来社会を実現するその原動力を、けいはんな学研都市が担っていけるよう、これからも産学官住が互いに知恵を出し合いながら共に進んでまいります。
 本年も引き続きみなさまのご支援を賜りますようお願い申しあげます。

公益財団法人 関西文化学術研究都市推進機構 理事長

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